2025年4月5日

『マシュマロテスト』~先を見据える力~
※4月模試の時に、生徒には話した内容です。
「マシュマロテスト」は、スタンフォード大学の心理学者ミシェル博士が作った幼児向けの心理実験で、子供の自制心が将来にどのような関連性があるかを調べた実験です。
内容は平均4歳児を対象に
「目の前のマシュマロ1個を15分間食べるのを我慢できたら、もう1個あげる」と言って、大人は部屋から退室します。
その後子供たちが我慢できるかどうかを調べるという、シンプルなテストです。
結果は、3分の2の子供は15分待てずに食べてしまい、3分の1の子供が我慢できました。
4歳の時点では当然の結果かもしれません。
この実験の注目すべき点は、その後です。
実験の18年後、SAT(大学進学適性試験:800点満点)での成績結果は、我慢できた子達の方がマシュマロを食べてしまった子達に比べて、平均200点以上も高い得点でした。
さらに20年後、40代になってからも追跡調査をしたところ、我慢できた子達の方が、社会的に成功をおさめるケースが多く見られました。
「自制心=我慢ができる力」は多方面に力を発揮し、健康面でも自己管理できている割合が高かったそうです。
ちなみに、40代の我慢できた子達の脳を検査すると、計画、社会行動の調節等に関係する前頭前皮質が、我慢できなかった子供たちより活発に働く事がわかりました。
小中学生に置き換えれば、『勉強』がある意味「マシュマロテスト」かもしれません。
「今ゲームや遊びを少し我慢して勉強すれば、次のテストで成功できる」
「この1年間我慢して勉強すれば、志望校に合格できる」
頭ではわかっていても、目の前の誘惑に負けずに、『我慢』できるでしょうか?
それは、マシュマロテストのように、単にテストでの成功や、志望校合格だけでなく、大人になってからの幸せにも繋がってきます。
理不尽な「我慢」「忍耐」ではなく、
『先を見据えて、前向きな判断をした上での、我慢』は賢い行動です。
その場だけでなく、将来も賢い行動をとれる可能性が高まります。
「今、これをしたら、この先どうなるか」と先を見据える力は、生きていく上でもとても大切です。
塾生には、勉強を通じて、セルフコントロールできるようになり、将来豊かに過ごしてほしいと願っています。